神話と心理

哲学的な

ギリシャ神話は道徳も倫理もクソもないな、と思いつつそこからの心理についての雑談です。

精神科医の名越さん。ここまで分析出来る精神科医の方って少ないんだろうな。ゲームのキャラやストーリーをここまで語れるって凄いです。参考になるので時間がある方は是非観てみてください。

ーーーそれで、
このチャンネルでの(別の動画にて)名越さんの話から出たギリシャ神話のオイディプス王の話をします。

ここからはちょっと難しい・読みづらい内容になるのですが関心があるかないかはそちらに委ねるって感じで責めるとかそんなつもりがないので、出来れば無機質な気持ちで目を通してくれたら幸いです。

オイディプス王

『オイディプス王』は、古代ギリシャの劇作家ソフォクレスによって書かれた悲劇で、ギリシャ悲劇の中でも特に有名で、アリストテレスが「悲劇の最高傑作」と称賛した作品です。

この劇は、テーバイ王オイディプスの数奇な運命と、彼が真実を追い求める過程で明らかになる恐ろしい真実を描いています。

あらすじ(chatGPTに説明してもらいました)

  1. 背景
    テーバイの街は疫病に苦しんでいます。王であるオイディプスは、この災厄の原因を探るため、神託を受けることを決意します。神託では、かつてのテーバイ王ライオスを殺した犯人が捕らえられていないことが災厄の原因であると告げられます。

  2. 捜査の開始
    オイディプスは、ライオスの死の真相を調べ始めます。予言者テイレシアスを呼び出しますが、彼は「真実を知ることは災いをもたらす」と警告します。しかしオイディプスは問い詰め、テイレシアスはついにオイディプス自身がライオス殺害の犯人であると告げます。オイディプスはこれを信じず、テイレシアスや側近を激しく非難します。

  3. 過去の謎が明らかに
    オイディプスは、自分の出生についても次第に疑いを抱くようになります。やがて彼が真実を突き止める過程で、自分が幼い頃に捨てられた王子であり、知らず知らずのうちに父ライオスを殺し、母イオカステと結婚したことが明らかになります。この事実は神託によって予言されていたもので、オイディプスが避けようとしていた運命そのものでした。

  4. 悲劇の結末
    真実が明らかになった後、母であり妻でもあるイオカステは自殺し、オイディプスは自らの目をえぐって盲目となります。その後、彼は王位を退き、テーバイを追放されることで劇は幕を閉じます。


テーマ

『オイディプス王』は、運命、自由意志、そして人間の限界をテーマにしています。

  • 運命: オイディプスの運命は神託によって決定され、彼がいかに努力しても避けることができませんでした。
  • 真実の探求: オイディプスは真実を追い求めますが、その追求の結果、破滅的な結末を迎えます。
  • 人間の無知: 自分の行動が知らないうちに運命を形作っていたという悲劇的な無知が描かれています。

『オイディプス王』の意義

この作品は、古代ギリシャ文学の中で最も深遠な哲学的洞察を提供しており、現在でも多くの文学作品や哲学的議論に影響を与えています。

また、「オイディプス・コンプレックス」というフロイト心理学の用語の由来にもなっています。

ヴィンテージキューピッドのイラスト

要は出生の秘密を知らずに、誤解という誤解からの自分が生まれた国に行かなかったら父親を殺すこともなかったし、母親とも・・・・って感じで悲劇過ぎる話になっていますね。

生々しいですね、神話なのに近親相姦があるんだから。

フロイト心理学とアドラー心理学

共に研究していたそうだがこの件でアドラーはフロイトのことを批判し、この両者はバチバチと大激論となりフロイト心理学アドラー心理学が出来ました。

ジークムント・フロイト

ジークムント・フロイト(Sigmund Freud, 1856年5月6日 – 1939年9月23日)は、オーストリアの神経学者で、精神分析学の創始者です。

彼は無意識や夢、欲望、心の構造など、人間の心理を革新的な視点で解明しようとした先駆者であり、現代心理学や精神医学に大きな影響を与えました。

ジークムント・フロイト - Wikipedia

心理学というか、あくまで本能的部分というか・・・フロイトの理論には、人間の心を理性だけでなく、本能的で無意識的な部分から捉えようとする深い洞察があります。

心理学の中でも、
彼のアプローチは特に「本能的な衝動」や「無意識の力」に注目している点が特徴的ですね。

人間の行動や感情の多くが、無意識の中にある抑圧された欲望や記憶によって影響を受けると考えました。本能と無意識の関係を強調しています。

オイディプス・コンプレックスとは?

オイディプス・コンプレックスは、幼児期(3〜6歳頃)の子どもが、異性の親に対して無意識的に性的な愛情を抱き、同時に同性の親に対して競争心や敵意を抱く心理的な状態を指します。

  • 男児の場合(オイディプス・コンプレックス)
    男児は母親に対して愛情を抱き、父親をライバル視します。この愛情は無意識的であり、社会的な規範や道徳によって抑圧されることが一般的です。

  • 女児の場合(エレクトラ・コンプレックス)
    フロイトの弟子であるカール・ユングが「エレクトラ・コンプレックス」という言葉で女児版を説明しました。この場合、女児は父親に対して愛情を抱き母親を競争相手とみなします。

    このコンプレックスの解消

    フロイトによれば、このコンプレックスは成長とともに解消されるべきものであり、その過程で子どもは超自我(Super-Ego)を形成します。

    超自我とは、社会的規範や道徳を内面化した心理的な構造であり欲望をコントロールする役割を果たします。

  • 男児は、父親を敵視する感情を抑え、父親と同一化することでコンプレックスを解消します。
  • 女児も同様に、母親との関係を修復しながら、父親への愛情を制御します。

オイディプス・コンプレックスの意義

  1. 心理的発達の一部

    フロイトは、このコンプレックスを人間の心理的発達における重要な段階と考えました。適切に解消されれば、健全な性格形成や人間関係の基盤となります。

  2. 抑圧と無意識

    解消が不十分な場合、欲望が抑圧され無意識に影響を与えることがあります。この抑圧が原因で、成人期の心理的問題や神経症につながる場合もあるとされています。

批判と現代における評価

フロイトのオイディプス・コンプレックス理論は、その独創性と影響力から多くの支持を受けましたが、以下のような批判もあります。

  1. 普遍性の疑問

    すべての文化や人間にこのコンプレックスが当てはまるのか疑問視されています。多様な文化的背景を考慮すると、この理論が普遍的でない可能性も指摘されています。

  2. ジェンダーの視点の欠如

    現代の視点では性別や家庭構造が多様化する中、この理論は一部の家庭環境にしか適用できないとされています。

  3. 科学的根拠の不足

    フロイトの理論全般に言えることですが、実証的なデータに基づいていないため、科学的な信憑性が低いとする意見もあります。

アルフレッド・アドラー

アルフレッド・アドラー(Alfred Adler, 1870年2月7日 – 1937年5月28日)は、オーストリアの精神科医で、心理学者でもあります。

彼はフロイトと共に精神分析の初期の発展に関与しましたが、後に独自の心理学理論を展開し、個人心理学(Individual Psychology)を提唱しました。

アルフレッド・アドラー - Wikipedia

アドラーの主な理論

  1. 優越性の追求(優越コンプレックス)

  • アドラーは人間の基本的な動機は劣等感を克服し、優越性を追求することだと考えました。
  • すべての人間は生まれながらに「劣等感」を感じ、それを乗り越えるために努力し成長しようとします。
  • ただし劣等感が強すぎると「劣等コンプレックス」に陥り、逆に過剰な自信や支配欲につながることもあります(優越コンプレックス)。


    2.社会的関係の重要性

  • フロイトが無意識や個人の内面的衝動を重視したのに対し、アドラーは人間は社会的な存在であり、他者とのつながりや社会的な役割が行動の動機付けになると考えました。
  • 「共同体感覚」という概念を提唱し、他者と協力し社会全体に貢献する感覚を重視しました。


    3.目的志向性

  • フロイトが過去の体験や無意識に注目したのに対し、アドラーは「人間の行動は未来の目標に向かって動機づけられる」と考えました。
  • 例えば、過去のトラウマよりも「どのような未来を目指すか」が重要だとしました。


    4.ライフスタイル

  • アドラーは人間の行動は個々の「ライフスタイル」に基づいており、これは幼少期の経験から形成されると述べました。
  • ライフスタイルは、その人特有の「人生への取り組み方」や「問題解決の仕方」を指します。

アドラーは「父権的で抑圧的な家」故にこうなったとのこと。

しかし無意識でそうさせてるのであればフロイトの勝利のようです。・・・・・はて。

感情抜きで語るとフロイトも一致している

フロイトとアドラーの両方とも人間心理を理解するための重要な視点を提供しており、それぞれが異なるアプローチで心の仕組みを説明している為にどちらの理論も独自の価値があります。

フロイトの視点:無意識と本能

  • 人間の行動の多くは無意識の欲望や衝動に支配されている。
  • 過去(特に幼少期の経験)が現在の人格形成に深い影響を与える。
  • 心の葛藤を理解するためには、夢や無意識の解釈が重要。

アドラーの視点:目的と社会性

  • 人間の行動は、劣等感を克服し、優越性を目指すという目的志向で動いている。
  • 他者との関係や社会的繋がりが、心理や行動の中心的な動機。
  • 過去よりも、未来の目標や希望に焦点を当てる。

ーーーー

これらを踏まえて、

霊的な視点の方では、
なるべくしてなった結果だと思う。

結局オイディプス王は何を伝えたかったのだろうか

運命や宿命、因果律、あるいは魂の成長といった観点から説明すればあらかじめ計画されたものだという見方です。

1. 人間の運命の不可避性

オイディプスは、自分が父を殺し母と結婚するという予言を避けようと努力しましたが最終的にはその運命を迎えてしまいます。

このことから、「どれだけ努力しても、運命は逃れられない」というテーマが強調されている。

古代ギリシャでは、運命(モイラ)は神々によって決定された絶対的なものとされ、人間がそれを変えることはできないという考え方が一般的でした。

この作品は、その運命の力を象徴的に示しています。

2. 人間の知識と限界

オイディプスは、自らの聡明さでスフィンクスの謎を解き、テーバイの王になりましたが自分自身に関する真実を知ることで悲劇に陥ります。

このことは、人間の知識や知恵が限られており時にそれが人を苦しめる結果になることを示唆しています。

  • 真実を知ることの重さ
    「知る」という行為は一見善いことのように見えますが、オイディプスの場合真実を知ることが自らの破滅を招きました。

3. 傲慢(ハブリス)とその結果

オイディプスは、
自分の運命を切り開こうとする強い意志を持ち神々や運命に挑む姿勢を見せます。

このような傲慢さ(ギリシャ語で「ハブリス」)は、古代ギリシャの悲劇においてしばしば主人公を破滅に導く要因として描かれます。

  • 人間の限界への警告
    ソポクレスはオイディプスの物語を通して、人間が自身の力を過信し神や運命を軽んじると破滅するという教訓を伝えているのかもしれません。

4. 自己認識と人間の本質

オイディプスは物語の中で、自分のアイデンティティや運命を知るために必死になります。その過程で、彼は自分の過去、そして避けられない運命を受け入れざるを得ません。

このことは、「人間とは何か?」という根本的な問いに通じます。

  • 自己認識の苦しみ
    自分自身を完全に理解することは、
    時に痛みを伴うものでありオイディプスの悲劇はその極端な例です。

5. 宗教的・倫理的な問い

作品はまた、神々の意志や予言に対する人間の姿勢について考えさせられます。

  • 神々は予言を与えるだけでなく、運命を決定する存在として描かれます。
    その為人間はその運命を受け入れるしかないのか、それとも挑むべきなのかという問いを投げかけています。

    (神も、もうちょっと言い方変えれば良かったんちゃう?とツッコミ笑)

現代的な解釈

現代では『オイディプス王』は単に運命や神々の話ではなく、自己理解や人間存在の意味を問い直す作品として読まれることもあります。

また、フロイトがこの作品に触発されて「エディプス・コンプレックス」という概念を提唱したように、家族関係や心理的葛藤の視点からも多くの示唆を与えています。

結論

『オイディプス王』は「運命を受け入れるべきか、それとも抵抗すべきか」という人間の根本的な問題を描いた作品です。

それと同時に、知識と無知、自己認識の痛み、傲慢さの代償といった普遍的なテーマを通じて人間の本質を深く考えさせます。

オイディプスの悲劇的な物語は、私たちが人間としてどう生きるべきかを問う強烈なメッセージを持っているのです。

どちらが「正解」かというより、それぞれが異なる切り口から人間の複雑さを捉えていると考えるのが適切。

一応ユングも関係あるよ

ユング心理学とは、
スイスの精神科医・心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した心理学です。

  • 人の心の構造を「意識」と「無意識」に分け、無意識を「個人的無意識」と「集合的無意識」にさらに分ける
     
  • 「集合的無意識」には人間に共通した心の形である「元型」が存在し、夢に表れると考える
     
  • 人の特性は「外向型」「内向型」の気質と「思考」「感情」「感覚」「直観」の心的特性から8種類に分類できる
     
  • 病理に対して寛大な思想を持っており、精神疾患の患者を不健康として扱わずに「その人なりの健康」として捉える
     
  • 心理療法ではクライアントとの対話を重視し、クライアントとカウンセラーが対話を通して成長することを目指す
     
    ユング心理学は西欧で発展した心理学の一系譜で、日本でも普及しています。ユングの理論は心理学だけでなく、芸術や文学、宗教学などさまざまな分野に影響を与えています。
     

    カール・グスタフ・ユング

カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung、1875年7月26日 – 1961年6月6日)は、スイスの精神科医・心理学者。

ブロイラーに師事し深層心理について研究、分析心理学(ユング心理学)を創始した。

カール・グスタフ・ユング - Wikipedia

ユングとフロイトは一時期は師弟関係だったようだ。

ユングも『オイディプス王』のような神話や古代の物語に強い関心を持っており、彼の心理学理論と関係があります。

ただしユングの解釈はフロイトのものとは異なり、より象徴的・集合的無意識の観点からこの作品やテーマを捉えている。

ユングと神話の関係

ユングは、神話や物語が人間の心理を深く象徴的に表現していると考えました。それらは、集合的無意識と呼ばれる人類共通の無意識の中にある「元型(アーキタイプ)」が現れたものであるとしました。

  • 集合的無意識
    個々人が持つ無意識を超え、人類全体が共有する普遍的な心の領域。神話や宗教、夢の中に共通するパターンとして現れる。
  • 元型(アーキタイプ)
    集合的無意識に含まれる基本的なイメージやテーマ。たとえば、「英雄」「母」「老賢者」「影」などが挙げられます。

『オイディプス王』の物語には、ユング心理学における重要な元型がいくつも含まれています。

『オイディプス王』とユング心理学の関連

  1. 英雄の旅(個性化のプロセス)
    • オイディプスの物語は「英雄の旅」に該当します。
      これは自己を探求し、真実を見つけるために困難に直面するという普遍的なストーリーです。
    • ユングは、この「旅」を自己の成長や個性化(自己実現)の象徴と見ました。オイディプスは苦痛を通じて自分の運命と真実を受け入れる姿を見せます。
  2. 影(Shadow)
    • オイディプスが父を殺し、母と結婚するという行為はユング心理学における「影」の概念に関連付けられます。
    • 影は人間の無意識の中にある、抑圧された性質や受け入れがたい面を指します。オイディプスは自分の「影」を避けようとしましたが、最終的にそれと向き合わざるを得なくなります。
  3. 運命と無意識の力
    • ユングは、運命を無意識の力の現れとして捉えることがありました。オイディプスの運命は、彼自身の意志ではなく集合的無意識や無意識的な力によって動かされているように見えます。
    • つまりオイディプスの悲劇は「無意識の力を軽視した結果」とも解釈できます。
  4. 自己(Self)と真実
    • ユング心理学では自己は個人の心の中心であり真実に到達することが自己実現のプロセスの一部です。オイディプスが自身の出生の真実を知る過程は、自己を発見する象徴的な物語と捉えることができます。

ユングとフロイトの違い:オイディプス神話の解釈

  • フロイト

    フロイトは、オイディプスの物語を主に性的欲望(エディプス・コンプレックス)の観点から解釈しました。これは幼い子どもが異性の親に対して抱く無意識の欲望と同性の親への敵意に関連するとしました。

  • ユング

    ユングは、オイディプス神話をより広い象徴的な観点で捉え人間全体の精神的な成長や無意識との関係を考察しました。

    彼にとってこの物語は個人の無意識と向き合い、
    自己実現を目指す普遍的なプロセスを描いたものといえます。

最終的にユングもフロイトの考え方についていけなくなり、批判した

ユングにとって『オイディプス王』は、ただの家族関係や性的欲望の物語ではなく、無意識との葛藤、自己理解、そして個性化(自己実現)への旅を象徴しています。

この物語をフロイト的視点とユング的視点の両方から見ると、心理学的により深い理解が得られるでしょう。

ちなみにユングは霊的体験をしています。なのでもう色々と・・・ね。

https://core.ac.uk/download/pdf/56630594.pdf

まとめ

正義って間違った方向に向くのが当たり前なのか。

フロイトの考えは正直私個人も「うーん」なのですが、世の中の首傾げるような怪奇的事件ってフロイト概念に繋がっていますね。

ぶっちゃけ霊視やチャネリングが出来なくとも様々な心理を学べば大体理解が出来ると思いますよ。

けど、心の複雑さは、やはり色々経験しないと深く語れないです。

本を読むのが一番かもしれませんね。映画でもゲームでもいいです。

ってことでここで終わります。

(正直語りきれないけどかなり端折って綴りました。)読んで頂きありがとうございました。

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