【解説】茶のしずく石鹸アレルギー事件とは。本当の原因と教訓

スピリチュアル

2011年、全国的に大きなニュースとなった「茶のしずく石鹸アレルギー事件」。

この事件をきっかけに「加水分解コムギタンパク」という成分が一気に悪者扱いされました。しかし、本当の原因はもっと複雑だったのです。

事件の概要

「茶のしずく石鹸」は、当時大人気の洗顔石鹸。

ーーーところが、アレルギー症状を起こす人が相次ぎ、2012年には被害報告が1,000件超に。

原因とされたのは、保湿成分として配合されていた「加水分解コムギタンパク」。これが皮膚から体内に入り、アレルギーを発症したと報道されました。

何故「茶のしずく」だけ被害が起きたのか?

実は「加水分解コムギタンパク」は、当時多くの化粧品に使われていました。有名ブランドのシャンプーやトリートメントにも使われていましたが、アレルギー被害が出たのは「茶のしずく石鹸」だけ。

ここに、事件の本質が隠れています。

本当の原因は「顔の粘膜」と「石鹸の性質」

ポイントは以下の3つです。

  1. 洗顔石鹸は顔に使う 顔は皮膚が薄く、目や鼻等「粘膜」が近い部位。ここは「体の弱点」です。
  2. 石鹸は強い界面活性剤 石鹸はアルカリ性で、タンパク質を変性させる作用があります。これにより粘膜のバリア機能が弱まることに。
  3. 高分子タンパク質の使用 茶のしずくでは特に分子量の大きなコムギタンパクが使われていました。これが粘膜から体内に入り、体が異物と認識しアレルギーを起こしたのです。

つまり「肌から直接浸透した」のではなく、

「粘膜」というバリアの弱点から侵入したのが原因。

毎日の洗顔で、少しずつ蓄積されたことが重なったのです。

洗顔石鹸で避けたい組み合わせ

以下のようなタンパク質成分入りの洗顔料は、リスクがゼロとは言えません。

  • コラーゲン
  • ケラチン
  • シルク
  • 大豆タンパク

石鹸・洗顔料は出来る限りシンプルなものを選ぶのが基本。過剰な保湿成分や植物エキスが入っているものほど、慎重に選びましょう。

食品由来成分=全て危険ではない

近年は「食品由来成分は危険」とする意見も増えていますが、以下は分けて考えるべきです。

ケースリスク
食品そのままを肌に塗る高いリスク
化粧品として精製された成分成分による(多くは安全)

茶のしずく事件は「顔の粘膜×石鹸×高分子タンパク」という極めて特殊な条件が重なったもので、全ての食品由来成分が危険というわけではありません

ただし、洗顔料や石鹸にタンパク質系成分が入っている場合は注意しましょう。

まとめ

・茶のしずく事件は「粘膜+石鹸+高分子タンパク」が原因
・肌から成分が浸透することは基本的に無い
・洗顔料は「シンプルな成分」が最も安全
・食品由来成分
全てが危険ではないが、使い方・成分次第で注意は必要

洗顔料は「必要最低限」でOK!安全第一で選びましょう。

【引用・参考文献】

.

.

.


茶のしずく石鹸事件は「悪意のない事故」でした。メーカー側も「良かれ」と思って保湿成分を加えた結果、想像もしない大規模なアレルギー被害が発生したのです。

この続きはcodocで購読

コメント