私たちの住む日本列島には古来より「山」にまつわる数多の精霊、神霊の存在が語り継がれてきました。その中でも、近年スピリチュアルな視点から注目を集めているのが、狼系自然霊と天狗(てんぐ)の存在です。
彼らは一見、別の系統に見えますが、実は非常に深いところで共通点があり、時には同一の存在が別の姿をとって現れているとも言われています。
両者の関係を歴史・信仰・霊性の観点から紐解いていきます。
まず自然霊についての記事です。↓
狼系自然霊とは?🐺
狼は「大神(おおかみ)」であり「神そのもの」
日本では古くから、狼は山の霊的守護者として崇められてきました。「大神」と書いて「おおかみ」と読む例は、単なる偶然ではありません。
狼は神の化身であり、眷属(けんぞく)であり、あるいは神そのものとされてきたのです。
代表的なのは、埼玉県の三峰神社。ここでは狼を「お犬様」と呼び、病気平癒・盗難除け・火防・道中安全の守護神として信仰されています。また、奈良県には「大神(おおみわ)神社」という社があり、ここでも山そのもの、またそこに宿る狼のような存在を神格化しています。
大口真神(おおくちのまがみ)は狼神であり、霊山の守護神。
農耕民族にとって山の獣(特に猪や鹿)から田畑を守る”守護神”として、また盗賊や悪霊除けの魔除けとしても信仰されてきました。
三峯神社のサイト、デザインがポップでとても良いですね。
狼霊の特徴
・非常に古くから地球に根付いている自然霊系
・人間と強い契約を結ぶ存在
・霊的な「導き手」「試練を与える者」「守護者」として働く
・龍神の眷属や同格の存在とも言われることもある
狼霊は、ただ可愛らしい動物としての狼ではなく、荒ぶる山の神性・覚醒を促す存在として、多くのシャーマンやヒーラーからもコンタクトされてきました。
しかし多くのチャネラーが「狼の上位存在は不明」となっています。
その理由は、
・彼らが”人間の周波数帯”では捉えきれない高次元にいる
・明確な姿形を持たず、思念体や象徴としてしか顕れない
・言語を持たず、光や音、直観としてしかアクセスできない
明確な名前すらチャネリングを通して降ろされていないということですね。
天狗とは何者か?👺
天狗は山の精霊か、神か、魔か
天狗の姿はよく知られています。赤ら顔に長い鼻、羽団扇と烏帽子、そして黒い山伏の衣装。多くの日本人が天狗を妖怪のように思っていますが、それは近代以降のイメージ操作の結果です。
本来の天狗とは、
・山の精霊
・修験者(しゅげんじゃ)と一体化した存在
・人間に霊的な試練や導きを与える存在
つまり天狗は霊的なガイドであり、自然霊であり、時に神格化された存在です。鞍馬山の鞍馬天狗や、高尾山、比叡山等に伝わる修験道の霊的守護者として知られています。

京都の楽しさはこういうところでしょうか。
狼と天狗は同じ存在なのか?
この問いに対する答えは「イエスでもありノーでもある」となります。
何故なら、両者は”同じエネルギー体が異なる姿をとって現れることがある”からです。
共通点①山の守護神である
どちらも山という異界のフィールドに現れ、守護と試練を司る存在です。山はこの世とあの世の境界であり、魂の修行の場でもあります。
天狗も狼も、その境界を守る存在なのです。
共通点②霊的覚醒を促す
狼も天狗も、ただ「守ってくれる」優しい存在ではありません。
むしろ、人生に大きな試練や気づきを与え、目覚めを促す厳しい教師的存在として登場します。
・不思議な夢
・動物のような気配
・山での怪奇体
・強烈な直感の導き
これらは彼らが私たちに「気づけ」と送ってくるサインである場合が多いのです。
共通点③人に姿を変えて現れることも

古来、狼は神の眷属(けんぞく)、すなわち神の使いとして扱われてきました。特に大神(おおかみ)=大いなる神=狼の霊体という表現があり、「狼神」や「山の大神」とも呼ばれています。
天狗は山伏や修験者の姿で、狼は白い狛犬や犬神、あるいは老人の姿で現れることがあります。時に天狗が狼の姿をとり、狼が天狗の仮面をかぶる。その区別は人間の五感では判別不可能です。
八咫烏(ヤタガラス)と狼・天狗の関係
天狗と非常に深い縁があるとされるのが「八咫烏(やたがらす)」です。八咫烏は日本神話に登場する三本足の霊鳥であり、「天の使い」とされています。
・高次元の神の使い
・神武天皇を導いた存在
・修験道や陰陽道にも深い関連
一部のスピリチュアル研究や密教系の文献においては、以下のような仮説も存在します。
「八咫烏の一部が人間界に降り、天狗として顕現した」
一部の霊的伝承では、「天狗は八咫烏の地上化した姿」「狼と八咫烏の霊的系譜は共通」とも語られます。
つまり天狗・狼・八咫烏は”山・自然・霊的導き”を司る同根の存在である可能性があるのです。
霊的な狼・天狗がつく人の特徴
・山や自然に惹かれる
・子どもの頃から霊感がある
・一人で修行するような時期がある
・試練が多く、人生に意味を感じたいと思っている
・動物に縁がある、夢に動物が出てくる
・独特の視点で世の中を見る
→一種のガイドスピリットとして、修行者や霊感のある人につくことがあります。
狼・天狗・両方の信仰が関わる主な神社一覧
神社名 | 所在地 | 狼 or 天狗 or 両方 | 備考・特徴 |
---|---|---|---|
三峯神社 | 埼玉県秩父市三峰 | 狼(お犬様) | 狼を眷属とする有名神社。「三峯講」で全国に信仰が広まった。山岳信仰・修験道の影響も強い。 |
鞍馬寺 | 京都市左京区 | 天狗(鞍馬天狗) | 鞍馬山に棲む霊的存在「鞍馬天狗」で知られる。サナトクマラ伝説とも繋がる高次存在の降臨地。 |
武蔵御嶽神社 | 東京都青梅市 | 狼+天狗 | 狼神=大口真神を祀る。山岳修験の霊場として天狗伝承も多い。「おいぬ様」信仰の中心地の一つ。 |
高尾山薬王院 | 東京都八王子市 | 天狗 | 飛行自在の大天狗・小天狗の像がある。修験道の霊場として天狗信仰が色濃く残る。 |
大神神社 | 奈良県桜井市 | 狼(大神=おおかみ) | 三輪山をご神体とする日本最古級の神社。「大神=大いなる神=狼」との言霊解釈も。境内に狼像も見られる。 |
大山阿夫利神社 | 神奈川県伊勢原市 | 天狗(+山神) | 阿夫利山(大山)の霊峰に位置し、天狗・修験者の伝承多数。下社と上社に分かれ、霊的修行の場とされる。 |
九頭龍神社(箱根) | 神奈川県足柄下郡 | 龍神(+狼の眷属説) | 狼そのものは表に出ないが、龍神系と関わる山岳霊の一部として狼が眷属とされる説も。 |
白山比咩神社 | 石川県白山市 | 山の神・天狗系説 | 山の霊(白山信仰)に関わる神社。修験系の行者や天狗との結びつきが民間伝承に残る。 |
吉野山金峯山寺 | 奈良県吉野郡 | 修験・天狗系 | 役行者により開かれた修験道の総本山。天狗・山の精霊信仰と非常に深い関わりがある。 |
→上記のような神社は、「狼×天狗」的な霊系統の人にとって非常に重要なパワースポットとなります。
龍神との違いと役割の線引き
最後に重要なことを一つ。
龍神だけは、人の命に直接関わることができる存在です。だからこそ「神」として扱われます。多くの霊存在(狐、狼、天狗等)は、基本的に命に干渉することが出来ない、いわば「ガイド」「試練の演出家」のような立場です。
なので天狗も狼も私たちの「命の流れ」を左右することは出来ませんが、その命の中でどんな意識を持ち、どのように成長するかをサポートしている存在です。
結局狼の自然霊の発端は・・・誰だろうか
宇宙意識的存在であり、地球次元においては自然界を守る高次意識体・・・。
誰の目にもとどまらなかった存在が狼霊として創り、
狼の自然霊は天狗の従属ではなく別系統の独立した守護存在でありつつ、修験者・行者・神々に協力する役割を担っていたといえるでしょう。

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