こんにちは。今回はちょっとディープなお話を。
「日本人のルーツ」と、そこに深く関わる「YAP遺伝子」についてご紹介します
日本人のルーツは縄文時代にあった?
私たち日本人のDNAをたどると、実は縄文時代にまで遡ることができます。その中で注目されているのが、Y染色体にある「YAP遺伝子」です。
このYAP遺伝子、日本人男性のおよそ40%が持っていると言われており、特にアイヌの男性の88%、沖縄・北海道などの地域に多く見られます。
YAPって何?
「YAP」とは「Y Alu Polymorphic」の略で、「多型性Y染色体」を意味します。これは父から息子へと受け継がれる遺伝子で、女性にはありません。
このYAP遺伝子、実は世界的にはかなり珍しいもので、中国や韓国ではほとんど見られません。
一方で、チベット、ブータン、中近東など、一部の地域にだけ存在しています。
大陸には残らなかった?YAP遺伝子のミステリー
何故YAP遺伝子が日本列島に多く、大陸にはほとんど見られないのか。
いくつかの説があります。
- YAP遺伝子を持つ人々が、大陸では争いに巻き込まれ生き残れなかった
- もともと争いを好まないため、平和を求めて日本へ移住してきた
つまり日本にやってきたのは「争いを避け、穏やかに暮らしたかった人々」だったのかもしれません。
YAP=親切遺伝子!?
興味深いのがこのYAP遺伝子が持つとされる「性質」です。
それはズバリ、「親切で、他人に尽くす傾向がある」ということ。
しかも自分を犠牲にしてでも他人を助ける。これは日本人の国民性にとてもよく似ていません?
- 困っている国に援助する
- 災害時に冷静で秩序正しい
- 自分が大変でも、他人を思いやる
こうした行動は、文化や教育だけでなく、DNAの中に刻まれた気質なのかもしれません。
縄文人の暮らしと精神性
縄文時代は、約1万年以上続いたとされる日本独自の文化の時代。
この時代の特徴は・・・
- 格差がなく
- 争いがほとんどなく
- 自然を敬い、助け合って暮らしていた
土偶や石棒、木、森、水、岩などに神聖な力を感じていた彼らは、自然信仰を大切にしていました。豊かな感性と共生の精神。その中心にいたのが、YAP遺伝子を持つ縄文人です。
弥生時代から混血民族へ
やがて弥生時代になると、朝鮮や中国から渡来人がやってきます。日本はそこから混血民族としての歩みを始めます。
(※実は混血とは言えない理由があるのですが次回の記事で書こうと思います。)
定住と農耕が始まると、土地や水をめぐる争いが生まれ、ヤジリ(石の矢じり)での戦いの痕跡も残っています。
文明が発展する一方で、縄文時代の平和な精神とは違う価値観も入ってきたわけですね。
芸術家・岡本太郎が見た縄文の魅力
芸術家・岡本太郎は、縄文式土器を見てこう言いました。
「これは芸術だ!」
実際、縄文土器のデザインは驚くほど独創的で、複雑で、生命力に満ちあふれています。岡本太郎はその魅力を「四次元との対話」と表現し、縄文の造形を芸術の域にまで高めました。
YAP遺伝子に刻まれた、日本人の心
現代の私たちが持つ「親切さ」「真面目さ」「勤勉さ」。それは文化や教育だけでなく、縄文人の精神=YAP遺伝子にルーツがあるのかもしれません。
確かに今の日本人も、「なんでそこまで他人に優しくできるの?」という場面が多くありますよね。
それは、1万年以上前から受け継がれてきた、日本人の本質なのかもしれません。
【縄文人の特徴】耳たぶがあるのは縄文人の証拠?
日本人のルーツのひとつである「縄文人」。その身体的特徴の中でも、意外と知られていないのが、
「耳たぶ(耳垂)があるかどうか」ということです。
縄文人の特徴として、以下のような身体的傾向があります。
- 耳たぶが大きく、しっかりしている
- 耳垢が湿っている(湿性耳垢)
- 骨太でがっしりした体型
- 体毛が濃い
- 顔の彫りが深く、二重まぶた
中でも「耳たぶがある」というのは、縄文系の遺伝子の特徴の一つとされています。
弥生人には耳たぶがなかった?
一方で、弥生人(朝鮮や中国から来た渡来系の祖先)の特徴は以下の通り。
- 耳たぶが小さい、またはほとんどない(無耳垂)
- 耳垢が乾いている(乾性耳垢)
- 細身で直毛、顔の彫りが浅め
このように耳たぶの形状や耳垢の性質は、縄文系か弥生系かを見分ける手がかりの一つになるのです。
そのため、「耳たぶがある・ない」「耳垢が湿っている・乾いている」といった違いが、個人差として見られるのです。
弥生人の特徴も、日本を支える大切なルーツ
日本人は、縄文人と弥生人の両方の特徴を受け継いでいる民族です。どちらが良い・悪いということはなく、どちらも日本という国を形づくってきた大切な祖先です。
弥生人は、
- 細身で整った顔立ち
- 肌がなめらかで直毛
- 効率的な農耕技術を日本にもたらした
- 集団生活や社会制度を発展させた
といった特徴があり、日本の文明と技術の発展を支えた重要な存在です。
耳たぶが小さかったり、耳垢が乾いていたりするのはその人がより弥生系の特徴を受け継いでいるということ。
それは決してマイナスなことではなく、文明的な知恵や安定志向を持つ傾向とも言われています。
最後に
時代が変わっても、人の本質はそう簡単には変わりません。
自分たちのルーツを知ることは、自分自身を深く知る第一歩になるのではないでしょうか。
縄文人から続く、優しいDNAを私たちは今も胸に宿しているのかもしれません。
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